正しい呼吸法を一度知れば自然と健康になれるって本当?その健康法とは

呼吸が浅くなるのには、さまざまな原因が考えられます。恐れや不安などのストレスでも、呼吸はすぐに浅くなります。姿勢の悪さも関係します。しかしその原因の中に、ほぼ全員が抱えている「共通の問題」が存在しています。この問題を解決するたけても、あなたの呼吸は大幅に改善できます。自分の呼吸の状態を確認してみましょう。

 
まず肺が殻になるまで吐き切り、ゆっくりと大きく限界まで空気を吸います

その際、自分の身体のどこがどういう風に動いて膨らんだかを丁寧に観察します。

二回、三回と繰り返して確認しましょう。

どうでしょうか。胸の上の方、鎖骨近辺が膨らんでくるのが感じられましたでしょうか。もしそれが感じ取れらなら、この試みは成功です。殆どの人が違いを感じられると思います。あなたは今まで肺という臓器の大きさを小さく小さくイメージしていたのです。ですが、実際はかなり大きく、思っているよりも大きいのです。


「意識」の大切さ

あなたは今まで、肺のレントゲン写真を実際にでもテレビでも見た経験があるかと思います。肺の病気は珍しいものではありません。ですから医療系のドラマでもドキュメンタリー番組でも、もしくは病気になった人の再現でも、肺のレントゲン写真は、たびたび登場します。ところがその時の焦点は、肺の形や大きさには向けられていません。レントゲンに写る不審な影など、病巣部分にあなたの意識は向けられます。

肺の上下の大きさは視野には入っていますが、印象として残るには至りません。医師が棒で病巣部分を指し示すなどの行動があれば、 この現象はさらに強固になります。肺がどれほど大きいのかを見ていながら、 あなたは何度かあったその機会を逃し、正しい認識を持てなかったということになります。私も見事にその内の一人でしたので、この件についてそんなに偉そうには言えません。


焦点か当たらないものは、認識しない

これは人間の基本的な性質です。記憶の中にデータとしては残っても焦点があたらない部分についてはその事実を認識しません。この事を、今から実際に試してみましょう。

まずは周囲をゆっくりと見回して下さい。

では次に赤い色、もしくは赤に近い色に気をつけて周囲を見回して下さい。

どうでしょうか。先ほどは意識できなかった赤い色の物が、明確に認識できたと思います。もし赤い色がなかった場合には、青でも緑でも、 他の色を設定してやってみてくたさい。視野に入っているものが同じでも、 その時の焦点の当て方次第でこんなにも見える世界が大きく変わります。肺の大きさと形について、正に今の意識されなかった赤と同じ原理が働いていました。これは目に見える物以外にも、同じ法則が働きます。耳に聞こえる音もそうです。例えば、鳥の鳴き声を録音して、それを家に持ち帰って聴いてみます。そうすると現場では認識していなかった、 さまざまな音があったと気づきます。風の音、風に揺らされ擦れる草の音、遠くで飛ぶヘリコプターの音など、実に多くの音に囲まれていたことを発見します。録音の現場では、焦点が鳥の鳴き声だけに当たっていました。そのため鳥の鳴き声以外の音は、認識できなかったのです。


臭いでも触った感じでも、人間の知覚するものすべてに、同様の現象は起こります。誰かと歩いていても見えている物がまったく違うことによく驚かされます。Aと言う人物がそれぞれ違った人のファッションについて、よく認識しているのに対して、Bと言う人物はまったくそれを記憶していないときがよくあります。同じ感覚器官を持った人間がほぼ同じ視点で歩いているのに、まったく違う世界を生きています。意識をどこに向けるかによってその人が認識するものは大きく変わります。肺の大きさと場所のイメージでも、実はこの「焦点が当たらないものは認識しない」という法則が働いています。実際に息を大きく吐いて吸ってみて下さい。吸っている時に胸が大きく膨らんでいる様子がわかります。今まであなたはこの動きだけに焦点を当てていました。

もちろんこれは一生件名に知ろうとして認識していた動きではありません。積極的に意識を向けたものではなく本当にささやかなレベルです。本人はその時意識が向いた実感もないでしょう。もし本人に意識を向けた自覚があれば、それはもう受身の情報ではありません。意識が向いた時点で前向きにその情報を得ようとしています。受け身の姿勢でいるのと、積極的に意識を向けるのとでは、得られる情報量に大きな差が出ます。もしあなたが積極的に意識を向けて呼吸時の動きを丁寧に観察したなら、胸の上の方や背中側も動いていると、認識できたかもしれません。しかし受け身でいるレベルでは、胸の前の大きな動きを何となく認識するのが限界です。そうすると、このイメージが次第にあなたの認識の中で定着してきます。

呼吸と言うものがあなたの漠然とした意識の中では胸の前の大きなふくらみと同じ意味になります。あなたには人生の中で自然とみについた知識があります。常識的な知識として、肺という臓器の存在を知っていました。それが呼吸を行うためのもので、酸素を吸収して二酸化炭素を排出しているという所までは、常識の範囲内です。しかしその身体の中での大きさと場所については、「胴体の上の方にある」という認識にとどまります。今まで、詳しく焦点を当ててみる機会がなかったからです。

肺という呼吸の為の臓器がある+それは胴体の上の方にある+呼吸の時に胸が大きく膨らむ=あなたの肺に対する知識

あなたの先ほどまでの認識を整理すると、大よそ、このような事になると思います。この計算から導き出された解答が、「肺は胸の前の方に小さくある」という謝った認識です。つの認識を改めて確認してみてください。すべてか受け身の情報たけで成立していることに、お気づきでしようか。受け身で自然と入ってきた情報だけで判断してしまった結果、肺の大きさと場所を、本当の姿よりも著しく小さくしてしまっていたのです。けれども今のあなたは違います。今は正しい肺の大きさと場所を、ほぼ正確に認識しています。これは受け身の情報ではなく、自分から積極的に獲得した情報です。ここで改めて、自分の呼吸の様子を見てみてください。

肺の大きさと場所の意識は、おそらくは少し薄れていたでしよう。しかしだからといって、呼吸が小さく戻ってしまってはいません。相変わらず鎖骨付近は連動し動き、背中にも動きを感じられています。一度手に入れた正しい認識は生き続けます。本人がずっと気にして意識し続ける必要はありません。こんな楽は健康法はありません。